宗教ごとの葬儀

宗教ごとの葬儀


 
 

 
 

仏式の葬儀とは

ふだん、葬儀と告別式は一緒に行われることが多いですが、本来は別々の意味を持った儀式なのです。葬儀は、故人の冥福を祈るために遺族や近親者が営む宗教儀礼であります。一方告別式は、遺体を火葬場や墓地まで送った野辺送りの葬列が変化したもので、故人の友人や知人などの一般参列者が故人に最後の別れをする儀式です。葬儀と告別式が一緒になった形式を「葬儀・告別式」と呼ばれています。本来、葬儀と告別式を二つ分けて行うのが正式です。葬儀と告別式が区別されてる場合は、一般の会葬者は告別式の方に参列するのが一般的です。

葬儀で最も重要な読経と引導

「引導を渡す」とは故人を生死の苦しみや迷いから救って彼岸や浄土へ導くことです。葬儀の中で最も重要な儀式です。読経中に僧侶から故人に引導が渡されます。(浄土真宗では引導がありません。)読経は、宗派や葬儀の規模によって異なりますが、一般的には30分〜40分くらいです。読経の途中から焼香を始めることができます。焼香の始まりは僧侶の指示に従いましょう。

仏式の葬儀の流れ 喪家編
仏式の葬儀の流れ 弔問者編

 
 

 
 

神式の葬儀とは

神式では、人が亡くなると「帰幽奉告(きゆうほうこく)」「枕直しの儀」「納棺の儀」「柩前日供の儀(きゅうぜんにっくのぎ)」といった神式特有の儀式を経て、神式における葬式「神葬祭」を迎えます。
死後は成仏するという仏教に対し、「人は神から生まれる神へ帰る」という考え方の神道では、死後は神となってこの世にとどまり、遺族を守ってくれるとされています。つまり神葬祭は、故人の霊を残された家族や生前に信仰のあった人の守護神として祀る儀式なのです。
神道では死を不浄のものとし忌み、慎むことから、喪の期間中は遺族は鳥居をくぐってはいけないとされています。なので、葬儀は神社で行わず、自宅か斎場で執り行います。
神葬祭で祭祀を取り仕切る神職を「斎主」といい、そのほかに斎主を補佐する人を「斎員」といい、演奏を担当する人を「伶人」などがいます。

神式の儀式の基本は「二拝二拍手一拝」

1、手水の儀
2、二拝二拍手一拝
3、玉串奉天

以上3つが神式の独自の儀式です。水の儀で身を清め、神式の拝礼である二拝二拍手一拝をします。弔辞の場合はしのび手という音を立てない拍手をします。玉串とは、神木である榊の小枝に紙垂(しで)と呼ばれる紙片をつけたもので、これを捧げて故人の霊を慰めます。
 
 

 
 

キリスト教式の葬儀とは

キリスト教では死は終わりではなく、神に召された記念すべきものとされています。
お葬式には、故人の魂が神の御許に受け入れてもらえるよう祈るという意味合いも込められています。お葬式はほとんどが所属する教会で行われ、神父や牧師の主導で進みます。葬儀社は設営や会葬者の誘導などを行います。

カトリック編

カトリックの葬儀では、聖書朗読の「ことばの典礼」や故人の罪を詫び、死者が安息を得られるように祈る「感謝の典礼」からなる葬儀ミサを行いますが、参加者信者の多少により、「感謝の典礼」(聖体拝領)を省くこともあります。告別式は、神父の了承を得て遺族が主催します。弔電紹介や弔辞朗読もこの時に行います。

プロテスタント

カトリックの葬儀は教会によって決まりごとが異なるので、教会のやり方に従って準備します。
世話役は神父に相談し、事情のわかる信徒にお願いすると良いでしょう。
プロテスタントでは、死を召天といい、死後は天に召されて神の手に委ねられると考えられています。儀式よりも祈りや説教が中心になります。神の前では誰もが平等という考えから、供花の差出人の名前を外し、遺品や勲章などは置きません。