家族葬

テレビCMなどでもお馴染みの家族葬、実態はどんなもの?

 ここ最近では、地域の方や親族だけではなく生前お世話になった会社関係の方や友人・知人などに葬儀のご案内をしてたくさんの会葬者に参列いただくもの以外に、「家族葬」という形式をとるケースが多くなっています。
 家族葬とは、身内や親族などの内輪のみで行う葬儀のことを言います。別で本葬が行われる「密葬」とは違い、家族葬の場合は葬儀のみ行われます。
 家族葬の規模やスタイルは様々で、10人前後の身内だけで行うケースから、従来の葬儀と変わらない費用をかけ、貸切の会場で棺桶の周りを生花で飾り、個人の好んだ料理やお酒などを用意してホームパーティのような葬儀を営むケースもあります。

なぜ家族葬が増えているのか?

 それにはまず、日本人の平均寿命が延びたという背景が挙げられます。平均寿命が延びると、職場を引退してから亡くなるまでの期間が長くなるため、葬儀に職場関係の方々の参列が減る傾向にあります。さらには弔問客(葬儀やお通夜などの儀式に参列する人のこと)は子どもの会社関係など故人を直接知らない人が多くなり、自然と内輪だけのシンプルな葬儀である家族葬が選ばれることが多くなっているようです。特に都市部での家族葬が増加しているのですが、核家族化や近所づきあいの薄れなども大きく関係しているのではないでしょうか。

 また、家族葬という枠にとらわれずとも、「形式やしきたりにこだわらない自由な葬儀があって良い」という意見が半数を超えるアンケート調査の結果も出ています。例えば、白木の祭壇ではなく、故人の好きだった花をアレンジして飾ったり、葬儀場にリラックスできるリビングのような空間を準備したりするケースも増えています。しきたりや形式にとらわれずに故人や遺族の意見を尊重した儀式の形式が受け入れられる社会になりつつつあると言えるでしょう。

家族葬のメリット
● 無駄なお金を使わず、納得のいく費用の掛け方ができる

 葬儀社によってプランは様々ですが、斎場や祭壇にかける費用も自分が納得のいく金額で抑えることが可能です。

● アットホームな葬儀で故人との最後の時間をゆっくり過ごせる

 家族だけなので故人に語りかけたり、故人についての想いを語り合ったりが存分にできますし、通夜・相銀の進行に加え弔問客への対応など気を使うことが少なくなります。

● 形式にとらわれない葬儀ができる

 仏式葬儀から無宗教の葬儀まで幅広い葬儀に対応できる

● 看護、介護などで疲れた遺族をいたわることができる

 今までの介護や看護の疲れに加え慣れない葬儀を進めて行くと負担が大きいので、身内だけでの葬儀を執り行うと弔問客に気を使ったりなどしなくて良い分気が休まります。

家族葬のデメリット
● 親戚づきあいにヒビが入る場合も

 世間体を重んじる親族がいた場合、反対される場合もあります。小規模で執り行う葬儀に理解がなく、親族なのに声をかけられなかった、などのトラブルになることも少なくないそう。

● 弔問客のが後から訪れることもある

 葬儀後に自宅へ弔問に訪れる方も少なくありません。受け入れるにしても断るにしてもしっかり対応を考えておく必要があります。弔問の対応に決まりはないですが、断る場合は一人一人相手をしなければならないので負担に感じる人もいます。

● 費用は抑えられるが、結果的に一般葬儀より高つくケースもある

 家族葬の場合は親族のみで小規模の場合が多く、弔問客もお断りするケースもあります。ですので、その分香典をいただく機会が減るため、結果的に一般葬儀より費用がかさむことも十分に考えられます。

家族葬の場合、友人・知人・会社関係の場合はいつ故人とお別れができる?

 知人友人、会社関係の方々とは後日「お別れ会」を催すことも多いです。家族葬は現代における新しい形の葬儀ですので、メリットデメリットの以前にまずは社会に馴染んでいない部分も少なからずあります。
 故人を始め、故人に関わりのある多くの人たちの気持ちを考え、配慮し、進めて行くこともまた大切です。